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缶バッチの沿革・製造メーカー

缶バッジマシンの「国籍」・・・その二

 日本のカンバッチ製作機械、缶バッジ製作キットにおいて、日本製、米国製と中国製の三国時代に突入しているように見えます。近年、特に中国製缶バッジマシーンはグローバル的な展開とシエア成長を成し遂げています。しかし缶バッジ製作の品質という見地から、中国製のコピー製品ではなく、価格対品質に優れるブランド品を見極める必要があります。

 ネットではTALENT製品に似っているスライド式の缶バッチマシンや回転式の缶バッジマシンも多く出回っていますが、正規のTELENT製品よりマシンの材質、強度、精度とパーツの品質など落ちているため、コピー製品をネットの写真などでどう識別するのでしょうか。その見分ける方法を以下のようにまめました。

        

上の写真はTELENTさんの製品です。下の写真はTELENT以外の中国製です。まず押しレバー(ハンドル)のデザインや形状や色などにその違いが分かります。スライド式の模倣品を大量に製造しているのはほぼ中国浙江省の義烏という地域に集中しています。赤い本体などは似っていますが、以前弊社パーツ使えるかどうかを確認するため、お客様が同サイズのコピー製品を弊社に持ち込まれたことがあります。その際不良品率は上がり、嵌めた後の堅牢度も若干弱いと感じましたが、弊社パーツはなんとか使用できると確認しました。しかし、プレス途中で本体がふらふらしているので、本体に触ったところ、金属製のではなくプラスチックでできていることが分かりました。

      

 左右スライド式のハンドルの形状や色以外、ハンドルと本体の角度も注目して下さい。ブランド品の低い角度に対して、模倣品たちのハンドルは明らかに鈍角が大きく、空に向けて聳え立つようになっているのが分かります。また、赤い本体の場合は、後部に軽量化の穴があったため、強度、重厚感と安定感のあるブランド品と違います。

 左右スライド用板も美しいアルミ製のものと違って、安価のプラスチック製のものになり、金型(アタッチメント)の交換もTELENTの置くだけの作業ではなく、ロック解除したうえ、プラスチックスライド板ごとにレールから取り外しての交換になります。手間ひまかかります。

 スライド式ほど回転式の模倣品は出回っていないのですが、上記左の写真のように中国南部のメーカーが作ったものがネットで見つけることができます。いずれにして、信頼できるブランド品より本体だけではなく、パーツの材質と品質も落ちています。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

 

缶バッジマシンの「国籍」・・・その一

 現在、缶バッジマシンや製作の日本市場においては、マシンやパーツメーカーの勢力図を見ると日本のメーカーは一社、アメリカのメーカーは一社、中国のトップメーカーは一社、その他、乱立した中国製模倣品メーカーという構図になっています。 

 25年前までは日本市場において、業務用缶バッジ製作マシンは日本メーカー(DAIKIダイキー)製のものがほぼ独占状態でしたが、2000年頃、アメリカの缶バッジマシンメーカー(TECRE)は日本市場に進出し始め、徐々に認知されるようになります。両者とも回転式のマシンのみを販売していますが、2003年前後、日本上陸を果たし、だんだんと人気が上がってきた中国メーカー(TALENT) の製品は主流になりつつあります。ダイキ―の製品は精度が高く、パーツの形状特に裏側の縁に米国製や中国製と比べれば、プレス後の皺があまりなく、すっきりした仕上げで綺麗ですが、価格においてマシンもパーツも米国製や中国製の数倍にのぼるため、初期導入のコストや導入後のランニングコストはかかります。しかも米国製マシンと同様にアタッチメントは本体と一体型になっているため、違うサイズの円形や異形缶バッチを製作する場合は新たに本体も含めて金型を購入しなければならず、出費を重ねます。よりリーズナブルな価格で缶バッジ製作サービスの提供も難しくなります。

    

 アメリカ製缶バッジマシンセットやパーツの価格はそれほど高くありませんが、日本方式同様、アタッチメントを本体に固定されているため、サイズや形状違いの缶バッジ製作にその都度、異なる本体も用意しなければなりません。かさばるうえ、保管やメンテナンスも大きな問題で、中国製の本体一台で金型(アタッチメント)交換可能なシステムマシンに比べて、断然高く、また専用カッターも中国製のものよりかなり高くなります。

 米国製マシンのもう一つの難点は日本製のものと同様、円形と異形の種類は中国製と比べれば、非常に限定的ということです。

 昨今のご時世で、コストの関係で業務用缶バッジ製作用ではアメリカ製か中国製かをほぼ2分化しているとも言われています。特に異形缶バッチの場合はTALENT中国製が多種多様な形を開発しているので、他国製よりお客様のニーズに答えられるので好評を博しています。

      

 日本製や米国製のものと比べれば、リーズナブルな価格で、ランニングコストも安く、回転式の本体なら、円形だけではなく、各種異形金型(アタッチメント)も交換できます。正方形、長方形、ハート形、星形、たまご形、三角形、五角形、六角形、八角形、動物形、エンブレム形などの缶バッジが製作可能です。普通のZピンや安全ピンタイプの缶バッジのほか、マグネットボタン、キーホルダー、ヘアクリップ、吸盤フック、磁石クリップ、フォトスタンド、栓抜き、ミラータイプなど様々なパーツも開発されているので、マシン一台で日米製に劣らない精度と品質で、いろいろな拡張や展開を楽しめるのが、中国製の特徴ではないでしょうか。

 中国製と言っても地道に技術や製品開発に励んでいるメーカーもあれば、メーカー品を狙って模倣品ばかり製造している工場もあります。いや、前者より後者の方が乱立しているのです。中国製の缶バッジマシンに左右スライド式(韓国が考案したと伝えられて、韓国式とも言われます。)と回転式の二通りありますが、技術・強度・精度、パーツの品質、いずれもTALENTさんは業界のトップメーカーとして君臨しています。弊社が輸入・販売をしているものもすべてTALENT製のものとなります。

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

缶バッジが辿る軌跡(下)

   缶バッジの歴史を振り返ると、民主主義の象徴である選挙に大きな役割を果たしましたが、戦争と平和の道具としての側面も否定できません。戦闘意欲の高揚を目的に缶バッジが配られ、また、独立や革命にも使われました。1907年ガンジーの「非暴力」によるインドの独立運動にも活躍しました。1970年代のベトナム戦争に犠牲者急増と重なる戦費の重圧で、アメリカで反戦運動を巻き起こし、平和への機運が高まったのも、当時の反戦的シンボル「ピースマーク」という缶バッジの存在が大きいと伝えられています。

 缶バッジは戦争にも使われたり、反戦にも使われたりしますが、缶バッジの良し悪しではなく、缶バッチを使う人間がこの良し悪しを決めることになります。常にいい方向に平和の方向に使われるように願うばっかりです。

 20世紀に入る前にマンガキャラクターがカンバッチに登場し、ガムやタバコの販促グッズとして頭角を現します。1940年代にコレクターシリーズとして缶バッチを導入され、愛好者が缶バッチ集めの始まりです。

 外資系会社が食品、飲料などの販売にノベルティグッズとして缶バッジがよく配られ、その慣習も日本に伝わりました。日本のあるレコード店でΦ25mmの可愛い缶バッジを配布したのが最初の缶バッジ上陸と言われています。そのおかげで缶バッジの存在が世に知られて一気に広がったのです。1980年代に原宿や渋谷を中心に若者の間に「お名前缶バッジ」がはやりました。 個人は自分の名前の缶バッジを見つけて喜び、多くの企業もロゴマーク入りの缶バーチを製作して配布しました。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

缶バッジが辿る軌跡(上)

 現在すっかりオリジナルグッズ製作やノベルティグッズ製作に定着し、定評のある缶バッジは一体いつからどこで発祥されたのでしょうか。

 米国の独立成功に刺激を受け、1789年に共和制を目指したフランス革命が起こったことは高校歴史教科書にも掲載されたもので、よく知られているのですが、初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの選挙キャンペーンで支持者らによって作られたのが発端で、金属のボタンに文字や模様が施されて、紐を通す穴が付いています。コートやジャケットに縫い付ける形になり、まさにボタンそのものでした。缶バッジは現在でも英語圏において「button」とも呼ばれています。

 1860年、「人民の人民による人民のための政治」とよく知られる人物「リンカーン」の選挙活動にリンカーンの写真を入れる発想から缶バッジが進化しました。今風に言うと選挙の陣営化を象徴するようなプラカードのような役割になっていましたが、缶バッジの由来は意外にも民主主義選挙と縁が深いことに興味深いです。

 ボタンの上に写真をのせる作りになっていたので、傷から保護するために透明なフィルムを写真の上に重ねることに思いつき、当時石油製品のPETフィルムがなく、引火しやすいセルロイド(硝化綿と樟脳を配合する樹脂の一種、19世紀初め頃イギリスが発明)のフィルムで特許を申請したそうです。後にバッジの裏にピンを取り付けられ、簡単に洋服に装着するようになりました。「pinback button」と呼ばれて、現在の缶バッジの形がほぼできました。更に数十年を経って、「Button badge」と呼ばれるようになりました。その日本語訳は「缶バッジ」なのか、「缶バッチ」なのか、それとも「缶バーチ」なのか、所詮和訳したもので、恐らく歴然とした正解が見つからないのではないでしょうか。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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