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2022年12月

EV車という「狼が来た」が・・・(下)

 20年前の日本の平均年間給与は454万円に対して、20年後の昨年2021年は443万円となっています。増加するどころか横ばいより減っています。しかし20年前の主力車種はトヨタのカムリは200万円、カローラは100万円をちょっと超えるぐらいで、年収の4割か2割で買える水準でしたが、今日の国産車の主力車種は400万円台は主流です。20年前に主力車種を購入できた人々は、今もはや中古車や「軽」を買うか車を持たなくなります。販売価格は「国民の所得水準と乖離している」という人もいますが、それもそのはず、若者の車離れが生じる要因にもなっています。1000万円年収の人が、年収の4割で400万円超の主力車種を購入可能ですが、1000万円以上の所得を得る人は全体の5%未満ということを考えると、日本国内においての車市場は20年前の1/10までに縮小しています。

 ガソリンエンジンの技術的な優位もEV車時代に於いて、燃料バッテリーや電気コントロール技術、AI自動運転制御技術などへと大きく変わってきています。技術的な格差が縮まれ、日本車の競争力も中国ブランドのコスト格差に負けてしまう恐れがあるのではと思います。

 今年は中国車ブランドの海外進出元年で、前述したオセアニアのほか、中南米のメキシコ、コロンビア、ペルー、ブラジル、中東のアラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、EUのドイツ、ベルギーなど、東南アジアのタイ、ラオス、シンガポール、カンボジア、マレーシア、東アジアの日本。中国側の発表によると今年1~10月に、米テスラの上海工場も含めていますが、車の対外輸出は前年同期比54.1%増の245万6000台に達し、ドイツを抜き日本に次ぐ世界2位の輸出規模になりました。

 中国ブランドは持続的に海外市場において安全性と信頼性を獲得できるかどうか今後の課題になるかもしれませんが、中国車の海外進出は「黒船到来!」と受け止めている人もいます。30年前のサンムソンの暗躍で「オオカミが来た!」と感じた危機感と同様です。

 EVシフトの世界的な波に乗り遅れた日本は「ミサイル対策」よりも家電産業の二の舞にならないように自動車依存の経済に何か手を打たなければならないと思います。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同


 

EV車という「狼が来た」が・・・(上)

 脱炭素、クリーンエネルギを提唱するSDGsの推進で、世界の流れになって2035年までにハイブリッド車も含めて、ガソリン車の新規販売を禁止するとアメリカも中国もEUも明確な指針を出しました。

 ほぼ20年前からEV車の推進と車用燃料電池開発に布石してきた中国がここに来てEV車市場において、バッテリー供給もEV車輸出量も存在感を増しています。BYD(比亜迪)、CHERY(希瑞)など純中国製の大手自動車メーカー、小鵬汽車(シャオペン)、上海蔚来(NIO)などの新生勢力の躍起も目立ちます。5000億ドルと世界最大規模を誇る中国市場において、ガソリン車の急減と対照的に新エネルギ車(NEV)の出荷割合は大幅に増えました。11月までのNEVの出荷台数は574万台で、去年と比べれば104.6%増となっています。上位10社に入っているのは外資系のテスラのみとなっています。

 伝統エネルギ車、ガソリン車の出荷台数が更に減り、ドイツ勢も、トヨタやホンダなど代表する日本勢も劣勢に立たれています。先日ホンダが中国工場で製造するガソリン車を日本市場に投入というニュースもありました。また、トヨタ、ホンダも車載電池の世界最大手の中国メーカーCATL(寧徳時代)と電池供給や協業の提携を始めると発表しました。

 出荷台数は米国のテスラにも超える勢いできているBYD(比亜迪)は今年の7月に日本進出を宣言し、来年2023年1月に正式販売を決めています。オストラリア、ニュージーランド、欧州の進出にすでに好感触を得った車種「ATTO3(アットスリー)」、一回の充電で485キロの相続距離を実現するSUV車ですが、車体を低くしたことによって走行時の安定感も齎しています。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

W杯におけるアジアの風

 20世紀の80年代からワールドカップを楽してきた世代の人間として、2022年カタールワールドカップにおいて著しくアジア勢の台頭を感じました。

 ブリテン諸島のサッカー強国ウェールズに2:0で勝ったイラン、欧州の伝統的なサッカー王国アルゼンチンに2対1で勝ったサウジアラビア、クリスティアーノ・ロナウドが率いる強敵ポルトガルを下した韓国、そしてW杯嘗ての優勝経験者ドイツとスペイン、この2強を倒した日本・・・。アジア勢の旋風を巻き起したと感じざるを得ません。

 W杯こそ出場はできませんが、メインスタジオを含む4つの会場も受注建設した中国企業、選手を送迎する中国製電動バス、大会のスポンサー広告も中国企業やメーカーの存在感が大きいです。そもそも2002年の日韓ワールドカップを除けば、アジアでワールドカップ開催は夢のまた夢に過ぎず、しかも中東の小国で立派に開催ができていること。

 かつての北京オリンピック開催と同様、今回のカタールも欧米から批判を浴びながら、世界に大きな感動を与えています。似たような批判も南アフリカ大会、ブラジル大会にもありました。そういった批判や「世論」をよく吟味すれば、出所はいわゆる先進国の塊であるユーロッパや北米からで、例外なくアングルサクソン集団の価値観や宗教観に基づいたものが分かります。アジアは歴史的にも宗教的に価値観的に欧米より多様化していて、各国の成り立ちも違いますし、善意の批評を歓迎しますが、欧米の一方的な価値観や視線のみに基づいた批判や糾弾を受け入れる必要はないのではないでしょうか。

 21世紀はアジアの世紀と言われる中、今回のサッカーW杯にアジアチームの躍進を象徴されるように経済的、文化的、宗教的、政治的、様々な面において、アジア自分の持つ東方文明に自信を深め、欧米列強に平等に渡り合えるアジアの国々、その時代の到来はそれほど遠くないと思いますし、「アジアが頑張ればできるだよ」とも示してくれました。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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