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世説人語

「初芝」の夢と「東芝」の現実・・・その一

 76歳になった「島耕作」がついに副知事に就任したという「ニュース」を見ました。佐賀県の副知事らしいですが、もちろん、現実社会のリアルな話ではなく、弘兼兼史さんが描いて、講談社が出版しているマンガシリーズ「島耕作」の中の出来事でした。

 大企業で働く男たちが描かれている物語で、主人公の課長「島耕作」も企業と共に日本の高度成長期に合わせて出世していきます。オフィスラブから、社内派閥抗争や企業間競争、アジア進出など時代と共に企業の歩みと人間のドラマを40年間も渡って演じ続けています。

 恐らく、作家の弘兼さんは松下電機産業で三年間の勤務をしたから、数々の若者が憧れる大手電機メーカーを舞台にすることができました。マンガの中に「初芝」という日本を代表する大手電機企業を架空していますが、作者の経歴を知らない読む側からすれば、原型の松下電器より、どうも現実の大企業「東芝」を母体にしているのではないかと思います。

 1875年創立で、家電、電気事業、半導体、エネルギなど多岐にわたって、150年間発展してきた日本有数の基幹企業の一つです。嘗て大手重電三社(日立製作所、東芝、三菱電機)と呼ばれる一角になり、電球、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、炊飯器、電子レンジ、ノートブックパソコンなど、国産第一号の家電製品を次から次へと発売しきした。省エネ、自然に優しい白物家電分野において、今風で言うとSDGsの草分け的な存在でもありますが、2015年の粉飾決算が発覚され、経営不振に陥ていることは周知の通りだと思いますが、経営を立て直すため、主力事業の白物家電を中国大手メーカー(美的グループ)に売却し、医療機器事業をキャノンの手へ、半導体メモリー事業を米韓企業連合に2.3兆円で渡しました。

 今年に入り、経営の安定化を目的に、海外ファンドを排除したうえ、国内投資ファンドの日本産業パートナーズが提案した条件(非上場化)を受け入れ、全体の80%近くにのぼる株式の公開買い付けを合意しました。

 年内12月20日にあの名門、東芝の上場廃止が東京証券取引所から宣告されることになり、残念ながら「東芝」の凋落が決定的になる一日に間違いがありません。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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