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天声人語&世説新語

制裁という「処方箋」

 ロシアはウクライナへの侵攻に一歩をはみ出した後、米国主導の「国際社会」は国連での糾弾や政治、経済、金融、文化、スポーツなどあらゆる分野での制裁を発動し、直接軍事介入を除き、極力までロシアに打撃を加えようとしますが、数日前、更にアメリカはロシアから石油と天然ガスの輸入禁止に踏み切りました。エネルギのロシア依存が強いヨーロッパーに対しても、「足並み揃える」ようにと強要しました。

 米国のロシアエネルギ依存は僅か3%前後に対し、ヨーロッパ多くの国々は石油や天然ガスの埋蔵量が世界一のロシアに頼っています。エネルギ事情は米国と大きな違いがあり、「大義名分」の前、米国の要求に断るわけには行かないでしょうが、安易に承諾すると、EU27カ国、工業生産、発電や暖房などロシアの安価の石油と天然ガスをかなり依存しているので、急に米国の高価のLNG(圧縮液体ガス)へ切り替えられないのも現状です。エネルギ供給は脱ロシアを今からやっても、時間がかかりますし、当面の間、エネルギの即ロシア離れもできません。「足並み揃う」というよりも、強力のアメリカパワーに圧倒され、自主性が乏しいヨロッパに見えてしまいます。

 では、天然ガスにおいて、ヨーロッパ各国のロシア依存度を見てみましょう。

 デンマーク、アイルランド、オストリア、スウェーデンは0%で。全く依存していません。それと真逆に100%依存の国はスロベニア、セルビア、ルマニア、ブルガリア、スロバキア、エストニア、ラトビア、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モルドバです。主に東ヨーロッパの国々で、旧ユーゴスラビアから分離独立の国が目立ち、ロシアとの結びつきも強い国々です。そのほか、チェコ(99%)、フィンランド(97%)とハンガリー(94%)も高い依存になっています。

 それにつぎ、依存度の高い国はポーランド(73%)、ドイツ(49%)、イタリア(48%)、リトアニア(43%)、トルコ(34%)、ギリシャ(33%)、オランダ(30%)、ルクセンブルク(27%)、フランス(22%)、ベルギー(15%)、スペイン(10%)です。

 天然ガスのロシア依存は10%未満の国は産油国のイギリス(7%)とポルトガルです。総じて、ヨーロッパ全体がロシアへの天然ガス依存度の平均値は41%に上ります。

 長年の制裁によって、キューパもイランも北朝鮮も体制は健在です。ロシアの体制崩壊を夢見る米国がヒステリックな制裁を加えた行為は、石油・天然ガスの価格が高騰している中、米国産「シェル―ガス」が十二分の利益を確保でき、LNGガスの増産や輸出で、米国の一国勝を狙うのが見え見えですし、それこそ「アメリカンファスト」なのです。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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