ホーム>ラッキープリントスタッフブログ>天声人語&世説新語>キューパ危機とウクライナ危機・・・その五
データ入稿用フォーム
テンプレートダウンロード
天声人語&世説新語

キューパ危機とウクライナ危機・・・その五

 冷戦後NATOが初めて甚大な人道主義災難を齎しました軍事介入ですが、時の駐ベオグラード中国大使館も空爆に会い、三人の中国国籍の若い記者も含めて、計29人が犠牲になりました。米国は「誤爆で申し訳ない」と謝罪や賠償もしましたが、中国がかつてハンガリーへの爆撃反対への報復、セルビアの支援で時のセルビア大統領が中国大使館に逃げた込んだためとも言われますし、セルビア地対空ミサイルに撃墜された米軍の次世代ステルス戦闘機「F117ナイトホーク」の破片などの技術を中国に渡さないようにするのが目的との観測もあります。爆撃は米軍のB-2爆撃機が誤差わずか2メートルという高精度の飛行爆弾JDAMによるもので、しかも3発、2発は爆発しましたが、3発目は着弾をしたものの、爆発しなかった。いずれにせよう、極綿密な計算をした「誤爆」に違いありません。 

 東西冷戦時代のユーゴスラビアはバルカン半島の社会主義国でしたが、唯一の非ワルシャワ(WPO)加盟国でした。現在セルビア、クロアチア、スロベニア、モンテネグロに四つの国に分かれていますが、いずれもNATOの加盟を果たしています。コソボも独立宣言をし、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本など93カ国から承認を受けていますが、セルビアを始め、ロシア、中国、スペイン、ギリシャ、ルーマニア、インド、ブラジル、アルゼンチン、チリ、インドネシア、南アフリカなど国連加盟国の半数以上にのぼる85カ国が承認を拒否しています。今でもセルビアの頭痛の種です。

 上記ソ連崩壊からNATOの東方拡大、表面上ヨーロッパの問題ですが、その背後にいずれも米国の存在が大きいです。ヨーロッパの問題をヨーロッパが自主的に解決できないだけではなく、北太平洋条約機構まで、アメリカが主導しているからです。もっと戦略的に考えるとヨーロッパ全体をコントロールするため、ロシアという敵が不可欠なので、ヨーロッパにとって、ロシアからある種の緊張や脅威を感じれば、米国の保護傘にありがたいし、言うことも聞いてくれます。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.luckyprint.net/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/125

ページ上部へ