キューパ危機とウクライナ危機・・・その四
しかし、プーチンはさすが戦略的、外交的に敏腕な政治家で、ロシアはハードとソフトの両面において、欧米連合体と腕比べの力がないと分かっているし、国内の難局を乗り越えるため、むしろ欧米の手助けも必要と考えています。「妥協」以外に他の選択肢はありませんでした。また、「妥協」することで、核心的な国家安全利益を除き、ロシアはアメリカの覇権に挑戦することも、対抗することもせず、西側の戦略と政治に容認するかわり、欧米にロシアを認めてもらい、支援も引き出してもらいます。プーチンの「妥協」はあくまでもロシアを再び大国に導くための試みで、強かな戦略を持ち、一種の臥薪嘗胆とも言えるのではないでしょうか。
2009年、バルカン半島のアリバニアとクロアチアが加盟し、2017年に更にモンテネグロも加わりました。2019年,マケドニアが入り、NATOは5回の東方拡大を経って、現在の30カ国に膨らみました。
ここで特筆しなければならないのは旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国が1991年に解体した後、旧連邦領内でスロベニア、クロアチアのセルビア系住民とクロアチア系民族らの勢力との戦闘が起こりました。セルビア勢力はセルビア本国の支援で優勢で戦っていましたが、クロアチアは米国の強力的な支援(表には米国の民間会社の支援を称します。)で劣勢を挽回され、セルビア系住民をセルビア本国を目指す避難民にしてしまいました。これらの避難民を時のセルビア大統領ミロシェビッチが南部のコソボ自治州に6000人ほど移住させていましたが、自治州人口の9割を占めるアルバニア系住民は「コソボ分離独立」を訴えて、猛反発しました。
1999年、セルビア治安部隊とコソボ解放軍との軍事衝突をきっかけに、NATOはセルビアへ78日間も続いた空爆を強行し、「強権」セルビアの「民族浄化」への軍事懲罰がその理由でした。どうも今も同様な理由をたびたび口実に気に喰わない相手国を制裁するためによく利用されています。
株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同
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