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天声人語&世説新語

キューパ危機とウクライナ危機・・・その十(終)

 残念ながら、「逆キューバ危機」とも言われる今回の「ウクライナ危機」は熱戦となりました。

 ウクライナ侵攻の回避はほんとうにできないでしょうか。ロシアの安全保障上の一番の懸念、NATOの勢力図をウクライナまで及ぶことです。ロシアの切実な利益を考慮し、西側諸国が価値観の「宣教」をせず、ウクライナに非現実的な約束をしなければ、熱戦に至ることもないだろうと思います。

 また、西側諸国が共同防衛を覚悟したうえ、ウクライナにNATO加盟の「アメ」を提供するなら、ウクライナの国境の外で、俺らだけが国際秩序やモラルを代表するかのように制裁と非難決議などのロシアいじめを発動し、人道支援を留めることもないだろうし、火を起こした張本人は「手を貸さないが、武器を提供する。お前は戦え」とウクライナを捨てコマにしたことも米国やEUもモラルを問われるのではないでしょうか。

 ドイツの方向転換で、ウクライナに武器供与を決めたことが西側のメディアに注目されました。旧東ドイツに配備されたソ連時代のものなので、数十年経た今、「生きるか死ぬか」の戦いに機能するがどうかも不安視される装備、「在庫処分」とも言えるような支援を果たしてウクライナが望んでいるのでしょうか。

 このような応急措置をやるのであれば、ウクライナも含め、最初からロシアへの挑発や挑戦をするなと言いたくもなります。特に北京冬オンリンピック期間中において、今か今かと米国が戦争を煽るような発表が連日にあり、戦争を察知や予告する暇があれば、「キューバ危機」のソ連第一書記のようにウクライナをNATOに入れないとロシアに譲歩さえすれば、確実に戦争が免れます。
 

 民主主義の価値を納得し、追い求めるのが悪いことではないですが、西側陣営に翻弄や利用される存在になってはならないし、隣の大国ロシアとどう付き合うのか、地政学上においても、ウクライナに限らず、常に問われる問題です。親欧米一辺倒も親ロシア一辺倒もウクライナ国民にとって幸せにならないし、特に西側の力を借りながら、ロシアを牽制や刺激するような行動を慎むべきです。安全保障は「遠交近攻」で、他の国に頼るものではなく、自らの知恵で勝ち取るものだと思います。いかに中立を保ちながら、国民が平和的に暮らすことを大前提に諸大国と良い距離感、良いバランスで付き合っていくのが大事ではないでしょうか。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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