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天声人語&世説新語

キューパ危機とウクライナ危機・・・その六

 さて、ウクライナについては、ヨーロッパの地図を見れば、ロシアに隣接している国々、北欧のフィンランド(中立国家)を除けば、ベラルーシとウクライナとロシアの国境線はもっとも長いです。ベラルーシはロシアの友好国なので、プーチンの脅威にならないですが、ウクライナはNATO加盟さえすれば、ロシアとの国境近くに欧米のミサイル配備が可能になり、モスクワなどロシア主要都市までの距離はわずか400キロぐらいで、喉元に剣が刺されていると安保上の危険をロシアが感じるのも無理がありません。

 20世紀ほぼ全部ウクライナは旧ソ連邦の一員で、連邦中においても、もっとも国土は大きい(ロシアに次ぐヨーロッパ2番目)、人口(4000万人)は多い加盟国です。クリミア半島と東部ドンバス地域の住民もほとんどロシア民族ですし、ウクライナもベラルーシもロシア同様、東スラブ民族に属しています。

 ソ連邦がばらばらになってから、2004年11月に親ロシアのヤヌコーヴィチ政権が誕生した結果への不満で、「オレンジ革命」が起こりました。親欧米の野党候補ヴィクルト・ユシチンコはヨーロッパ帰属を唱えて、与党陣営に選挙の不正を主張し、座り込みやストライキなどの抗議活動が広がりました。首都キエフ市内中心の独立広場はデモ隊が振るオレンジ色のマフラーで埋め尽くされました。マスメディアを通じて大きな関心を呼びました。

 連日与党へはロシア側、野党へは西側の肩入りする報道合戦が繰り広げられ、世界の世論を欧米が握っているため、一連の選挙が民主的ではないというスタンスを取った欧米側の報道に世界世論がなびきまして、ロシア側の行動や世論規制を加えた結果、再選挙の運びになりました。

 12月28日ヴィクルト・ユシチェンコは僅かの差で当選を果たしました。後に多くの外交官が「オレンジ革命」と回顧し、「不正ありき」に野党候補の敗北が分かった時点で、すぐさま抗議用テント村があちこち設置され、選挙の不正を主張するデモ隊が現れました。周到の準備と計画を事前に立てられたことが分かりますし、具体的に米国の投資家ジョージ・ソロス財団及び欧米の人権団体が後押しをしたことも分かっています。

 民主的に選挙操作した結果と言いますが、「民主的」によるクーデターとも言えましょう。

 

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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