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アジアの「超人」

元陸上の短距離の末続慎吾選手は東京オリンピックの男子100メートル決勝戦の後、「スポーツ報知」に寄せた観戦記に、日本勢の予選敗退に言及をし、「速く」よりも「強く」なれとスプリンターたちに提言をしました。今までいかに速いタイムを出すのか、いかに10秒を切るのかを陸上界に力点を置いていたのですが、オリンピックの大舞台で、速く走るのが当然ながら、それより「思いの力」や情熱など感情を爆発させるようなことが必要なのではないかと感じているようです。試合後のインタビューに選手らが淡々と試合を振り返っていたのが気になると言います。「感情を冷静に抑えられたこそ、その結果になったのではないか。ファイナリストになる、ではなく、ファイナルで戦う、という前提で過ごせたか。」と綴られています。

特に中国のスプリンター蘇炳添(そ・へいてん 31歳)が準決勝で、9秒83の新アジア記録をたたき出して、一位通過で決勝進出を決めたことは日本の陸上界に衝撃を走りました。9秒91のアジア記録を持っている同氏が、もうすぐ32歳になりますが、「決勝というつもりで準決勝を走る」と本人も準決勝の前に宣言をしていました。恐らく本人もコーチも決勝進出を狙いますが、本当にファイナリスになれると確信しませんでした。決勝レースの後、彼のアメリカ人コーチが「もし、決勝進出を予見できたら、もっと準決勝の後に、決勝への体力を温存するようなトレーニングをしたはず。」と反省しました。

それにしても、準決勝で体力を出し切ってしまった蘇氏は、2時間後の決勝レースで、イギリス選手の反則に影響があるなか、9秒98のタイムで6位入賞を果たしました。アジア人、我々黄色人種のスポーツ歴史を新たなページを作ってくれました。それはスプリンターとしての彼が速いだけではない、強いメンタルと、まさにファイナルで遺憾なく戦うという信念や「思いの強さ」がものを言うのではないでしょうか。

嘗て、2004年のアテネ五輪、110mハードル選手、劉翔(中国上海の出身)が、五輪のトラックにおいて、アジア唯一の金メダリストになり、アジア人の歴史を変えました。日本の陸上界にも希望を与えられました。近年110mハードルの若手選手の実力も確実に付けています。

東京オリンピック大会、蘇炳添の活躍もアジア人のトラックコンプレクス解消に一石を投じたに間違いありません。

陸上男子400メートル障害の日本記録保持者為末大元選手も、走りが終わると、「蘇炳添!」と衝撃をもって、名前だけつぶやいたそうです。北京五輪のメダリスト、元短距離選手朝原宣治も9秒83は、今後日本選手の目指すところになると言っています。

野球選手の活躍が多くの少年に夢を与えると同様に、蘇炳添が多くのアジア人に勇気と希望を与えてくれました。10年、20年後、オリンピックの華麗舞台にアジアのスプリンターらが卓球やバトミントンだけではなく、水泳も陸上トラック種目ももっと欧米選手と互角の戦いができるようになるのではないでしょうか。スポーツに象徴されるように、東洋文明もやがて西洋文明に本当の意味で認められ、肩を並ぶようになると思います。

アジアに「超人」の現れで、真のアジア時代の幕開けさえ感じます。

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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