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救済型インフレ その五(終章)

 では、悪性インフレの悪化に最後まで耐えられる国は?

 まずアメリカを見てみましょう。米国は原油と食料の自給自足ができ、この二つの長所は生産の上流にある原料を把握しています。例えば、インフレによって、輸出農産物の価格転嫁へ動けば、インフレが瞬く間に世界に広げることを容易に想像できます。

 一方の中国は消費商品の最大生産国で、供給の下流に位置し、生産コストを最低限に抑えることができますが、原材料のインフレがあれば、輸出商品の価格転嫁も必然的に行われ、また世界にインフレを広げていきます。

 サプライチェンの両端にある米中両国がそれぞれ強みがあって、しかも米国の強みが中国の弱みで、中国の強みも米国の弱みです。昨今度重なるQEやコロナ救済政策のお陰で、アメリカの農産物インフレも初めていますし、中国の輸出品への価格転嫁も行っています。最近食パン、面類などの値上げニュースを耳にしますよね。

 アメリカは米ドルという国際基軸貨幣の地位を利用し、世界に資本を輸出してますが、中国は巨大な工業生産能力で世界に消費商品を輸出します。アメリカは上流の原料を握ているので、下流の商品価格も、原料仕入れの価格で決められています。上流原料価格の上昇に伴い、下流商品価格も当然ながら値上げに転じます。いずれにして、上記の理由で、アメリカと中国はサプライチェーンの両端から輸出への価格転嫁で、ほかの国々より、悪性インフレに対応することができ、最後まで耐えられる国になるのに間違えありません。

 この救済型悪性インフレの行方に米国がカギを握ています。QEをほどほどにし、金利上昇に転じれば、世界経済に重大な結果を招かず、済むことも考えられますが、現状5%のインフイを放置し、悪性インフレに突入すれば、1929~1933年の大恐慌時代と同様に世界同時不況になる可能性が大きいです。

 「2020年は2010年代以来の最悪の年ですが、向う10年と比べれば、最善の年です」と予想した人がいます。この世界の「下り坂説」が米中対立と分断によって、ますます現実味を帯びていますが、心から予想が当たらないようにしてほしいと願います。

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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