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救済型インフレ その四

 では2020年代と1970年代と似ている国際状況はあるのかを検証してみましょう。

1、グロバル化の金利の終焉

 20世紀70年の戦後再建金利の終焉と同様、米国が推し進め、2001年に中国のWTO加盟によって、世界経済やサプライチェーンのグロバル化が加速しました。嘗ての「世界工場」アメリカが高付加価値産業に集約し、金融や資本投資で莫大な利益を得ていると同時に、中国もグロバル経済を積極的に転換し、「世界工場」を手に入れたうえ、産業や技術のレベルアップも遂行しています。その結果、欧州と日本はやや停滞気味で、アメリカも中国もどんどん先に進み、現在の2強の構図になってしまいました。しかし、20世紀の50~60年代のアメリカ人が富を手に入れた時代と同様に、中国国民にある程度豊かさを齎しましたが、アメリカはグロバルの大企業やウール街が大いに潤ったのですが、国内産業空洞化が進み、産業労働者は却って職を失ったり、給与を減らされました。社会は2極化の構造に近づき、分断を招きました。その問題の臨界点を触発したのはトランプ大統領でした。アメリカにとって、グロバル化金利の幕を閉じたことを意味します。

2、戦争への泥沼と新冷戦への持久戦

 経済のグロバル化の金利が終わろうとする際、アフガン戦争、イラク戦争、シリア戦争とアメリカが次々に中東の国々に侵攻をし、戦争を強要させました。莫大な出費や赤字を抱える戦争になりますが、戦略的に目的達成さえ言えず、戦線収縮を余儀なくされています。ベトナム戦争の泥沼化と似ています。

 これからも、アメリカは世界の変局に自由世界の灯台と自負をし、中国との「共存共栄」を拒否し、「新冷戦」を仕掛けて、競争、対抗と分断を更に強化する方向へ舵を切るのですが、財政的に赤字国債を発行しなければ、ならなくなります。中国もアメリカ対抗に転じるので、米国債最大の債権者として、アメリカの赤字国債を消化し、米国が中国からの借金で逆に中国を抑えることも期待できません。

3、実物から米ドルが離脱

 前述1971年に米ドルが金本位から離脱したのですが、石油、鉄鉱石、非鉄金属、農産物など商品価値を計るのは依然としてアメリカドルです。けれども、基礎消費財の生産国は中国で、産業の自国回帰やサプライチェーンの再構築に時間も金もかかります。コロナ禍の中に難しさも増す一方です。最大規模の中国市場を放棄するのも米国の国益に繋がらないし、ジレンマの中におそらく今後の可能な方針として、いざという時に喫緊の生活消費材などの産業をある程度、本国に呼び戻し、中国製より半離脱の状態を作ることだと思います。シャープ製マスクと同じ、供給が途絶えた時に緊急性の需要がありますが、財布に優しい中国製と比べれば、消費市場の原理に反する行動ですので、企業が応じるかどうかも未知数ですし、たとえ成功しても、米ドルの大幅安も避けられません。

 まして中国通貨元も対米ドルに値上がりで、アメリカの悪性インフレに拍車をかけることも可能です。

 

 

 

株式会社中和 ラッキー プリント 社員一同

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